つるや釣具店のハンドクラフト展で見つけたランディング・ネットに惚れ込んだ。SHIMAネットというブランドだ。たぶんシマさんが作るランディング・ネットだから、シマネットなのだろうが、ぼくが連想したのは「シマドウフ」「シマラッキョウ」「シマザケ」だった。
沖縄では名産品とおもわれる物品、もしくは沖縄固有の生物に、とりあえず「シマ」を冠する習慣がある。珍品好きな観光客がありがたがることを知っているから、なんでもかんでも「シマ」をつける。那覇の居酒屋のメニューにはきっと「シマダコ」とあるが、なんの変哲もないただのタコである。ちなみに与那国島には固有種の馬がいるけれども「シマウマ」とはいわない・・・・・・なんてことはまるでハンドクラフト展とは関係のない話なのだが、沖縄びいきのぼくがどこか固有な響きを聞き取った「シマネット」は事実、極めて個性的であり、 一流のアートであり 、かつ、しっかり遊んでいるし、そして、きっちりと魚を掬う道具に見えた。
シマさんは、まずは従来のランディング・ネットの形状を否定することから始めている。魚を掬うネットは魚釣りのながい歴史のなかで、あのティアドロップ形に落ち着いていたはずだった。片手にロッドを持つとなると、残りの片手でネットを扱うしか方法がない。だからこそ片方の掌で握ることができる細さの柄が必要で、その先に魚のおおきさを想定したネットが取り付けられるわけだ。しかしそれにしても世にあるランディング・ネットはその掟に従順すぎて、まるで無個性がネットの形をまとっているといってしまいたいほどである。
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by flybito
| 2011-02-19 19:23
| アウトフィット