www.flybito.com             ふらい人のblogです。フライフィッシング関連サイトへのリンクやコメントをお待ちしています。           


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<   2011年 04月 ( 7 )   > この月の画像一覧

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 ゴールデンウィークに釣りに行かなくなって久しい。
 10年近く前になるが、福島に釣りに行った。わかってはいたものの、あらゆるポイントに釣り人がいた。わかってはいたものの、まるっきり釣れなかった。わかってはいたものの、帰りの東北自動車道は渋滞していた。わからなかったのは、白河ICから東京までびっしり車で埋まるほど、渋滞が猛烈だったことだ。 たしか自宅まで7時間くらいかかった。 イライラとヘトヘトを通り越して、誤った判断をした自分自身に絶望した。渋滞は先頭にいる車の責任ではなく、自分の責任なのである。
 それ以降、一度たりともゴールデンウィークには釣りには行っていない。釣りにかぎらず、どこにも行かない。せいぜい行ってフライショップとカメラショップくらいだ。
 で、家でなにをするかというと、もちろんフライを巻くのだ。フライボックスを買って、せっせと巻き溜める。釣り場で他の釣り人の背中を見るより、車のなかでイライラするより、はるかに健康的だし、なによりも間近に迫ったベストシーズンのためになる。ぼくのようなふらい人はおおいんじゃないかな、とくに東京には。
 夜になったら、シングルモルトでも飲みながら酔眼で、自分の巻いたフライの出来にうっとりとするのは、じつに精神衛生上よろしい。ただし、飲み過ぎると写真のように、なぜかヘッドの処理を終える前にフィニッシュしてしまうこともある。
 ところで写真のスポット・ランプはLEDでポイントだけを集中して照らしてくれる。ぜんぜん熱くならないし、フレキシブル・アームがとってもながくて、タイイングにものすごく使い勝手がいい。プロフォトグラファーの新藤修一さんがblogで小物撮影用に推薦されていた。おなじ物を買いにIKEA港北店に行ったんだけど、フライタイイングにはアームがながいこっちが使い良さそうだった。1,490円は安いとおもうんだけど、じつはちかくに売っていたソーラー式の無電源スタンド(売り場にはグリーンやイエローやオレンジがあって、北欧風の簡素なおしゃれなのです)も読書用にと買ってしまった。いま使っているのはなんども傘が割れていて危ないしとか、停電の非常用にも使えるとか、なんとか自分に理由をつけて。
 まあ、ふたつ足しても3,500円くらいだから、いまどきのガソリン代でいえば25リットル程度のものだから、無駄遣いにしてはやっぱり精神衛生上いいのだ。
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by flybito | 2011-04-30 00:12 | エッセイ
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 春がやってきた。すでにして関東や四国や九州の河川ではベストシーズン後半に入っている。
 じっさい渓流のフライフィッシングの季節は短くて、それはたぶん、カゲロウやトビケラたちの生命の短さゆえのものなのだ。イブニングライズという言葉の響きは妖しくぼくたちふらい人の脳裏に響くが、あれは暑くて日中が釣りにならない夏の言い訳みたいなもので、ほんとうはまっとうな人間らしく、正々堂々と真っ昼間に大ヤマメと勝負したいのだ。
 そうおもっているのならば、東京に住んでいるぼくとしては、いままさに釣りに行かなくてはならないタイミングなのである。尺ヤマメを狙って伊豆や栃木の有名河川に立ちこむべきなのだ。日曜日にこんなふうにディスプレイと向き合っていないで。 
 というのも、気分的にはまるで盛り上がりに欠けているのである。震災の影響はある。それはたしかだ。しかしじつは毎年のことでもあって、それはどうやらフライフィッシングの重量感によるものらしい。
 やるべきこと、準備するべきことが異様におおいフライフィッシングという遊びは、だからこそやり始めは、愉しみが地平線の向こうまで広がっていて、ほとんど毎日がフライフィッシング世界そのものになる。だからちょっとコンビニにビールを買いに出かけるにしても、じつはフライフィッシングの世界圏内にいるのであって、いいかえれば、ビールを買うのもフライフィッシングの一部なのである。
 しかしながら世の中に年老いない新妻がいないように、フライフィッシングとの蜜月もいつかは終わり、ビールとフライフィッシングは見知らぬ他人同士の関係にもどる。
 結婚とちがって、フライフィッシングは冬の間はいっしょに暮らさなくても問題が起こらないが、いったん自由の身のありがたさを知ってしまうと、春がきて、またいっしょに暮らすことをおもうと、やらなくてはならないたくさんのことや責任をおもいだし、面倒だという気持ちになる。
 ぼく自身の話をすれば、なによりも、あたらしいフライを巻くのがおっくうである。冬の間にフライを巻きためるふらい人は、どちらかというとマイナーな種族らしく、ぼくも例外ではない。フライは巻きつづけないときれいに仕上がらないから、半年近くのブランクの後に巻くフライはきまって、出来がわるい。それがわかっているから、いよいよ巻きたくなくなる。

――やりはじめる前に、やる気を起こすことは人間の脳にとっては難事業である。やる気を出すためには、発想を逆にしなくてはならない。脳は、やり始めると、やる気が出るのである。
 という説を5、6年前に脳科学者の池谷裕二氏と糸井重里の対談本で知った。怠け者であるぼくとしては、じつに腹立たしい学説で「じゃあ、やる気なんて必要ないじゃん。だってやる気が起こったときには、もうすでにやってるんでしょ」と絡みたくなったわけだが、ムリもない、脳はぼくそのものなのである。怠け者でないわけがない。やりはじめる前にやる気が出るのは性欲くらいのものなのだから情けない。
 といいつつも、そういわれてみれば、おもいあたるフシもあって、仕事はまさしくそうで、仕方ないからポーズで始めたところが、そのうち気分が乗ってくることのほうがおおいし、文章を書くなんていう行為もまさしくそうである。脳は意外に単純で、やっているフリをすると、すんなりと騙されてしまうのだという。つまり、やる気を起こすには、自分の脳を騙せばいいわけだ。なんだか、ものすごく複雑に聴こえるが、早い話がなにもかんがえずに、やりはじめればいいのである。
 それでも怠け者のぼくの脳は手強いのである。なにもかんがえずに、始めるということができないのである。コーヒーを淹れたり、本を読んだり、バイスを横目で見ながら、いろいろとぐずぐずしているうちに、カメラ関係のホームページや通信販売のサイトなんかをふらつきはじめてしまうのだ。
 やはり騙すしかない。やる気がないのに、まるでやる気があるように、「浜辺の歌」か「赤とんぼ」あたりを口ずさみつつバイスに向かい、Blue Ribbon Fliesのホームページなどを見て、新フライパターンで脳に刺激を与え、なんでもいいから真似して巻いてみる。そしてあるとき、新しいフライボックスを買うことが、かなり効果的であることを発見した。空の物を満たしたいとおもうのが本能なのか、向上心なのか、知らないが、ともかく巻く気になるのである。
 どうやらぼくにとってフライボックスは新妻との新居のようなものらしく、不思議なことには、だんだんボックスが埋まってきて、徐々に居ても立ってもいられなくなり、ライン・クリーニングを始めたり、意味もなくバンブーロッドをケースから取り出したりして、気がつくと友人に電話を掛けて、今度の週末は? などと口走っているのである。
 
 とここまで書いて、ひょっとするとこういった軟弱さは乙種ふらい人だからこそなのではないか、と唐突におもいついた。甲種ふらい人の方々は、また別の気持ち、というか、常に変わらない激しい釣欲で春を迎え、本能のおもむくままにフライを巻きまくり、週末になれば夜明けを待たずに車を走らせているのだろう。フライボックスとか、いちど決めてしまうと気にもならず、きっと甲種ふらい人にとってフライフィッシングは永遠の新妻で、実生活ではやれそうにないことをフライボックスに象徴させるぼくのような乙種ふらい人的複雑怪奇な憂さ晴らしとは無縁なのだろう。こんど生まれ変わったら甲種ふらい人になって、一生一個のホイットレーで満足したい。

*ジェンダーフリーになるような記述を目指しましたが、「新妻」に対するふさわしい男性名詞を捜し出すことができませんでした。「新妻」は差別語ではなく、新鮮さのなかに微妙にエロティシズムが潜む日本語固有のニュアンスがあるとご理解いただけると信じて、このまま掲載させていただきます。
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by flybito | 2011-04-24 20:46 | エッセイ

#16 ふらい人4月号発行

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 ふらい人4月号発行しました。シーズンイン直後の災害に、こころ痛めて釣りに行く気が失せているふらい人もおおいとおもいますが、春はやっぱりいつもの年とおなじようにやってきています。今月号は「ふらい人について」の代わりに「震災のあとに」を掲載しています。東北復興のために、わたしたちふらい人にだって、やれることはあるはずなんです。
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by flybito | 2011-04-14 23:56 | お知らせ

#15 知来要さんの写真展

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 知来要さんの写真展さかなの森 FISHWINDOWが、来る4月14日(木)から4月20日(水)まで、キャノンギャラリー銀座で開催されます。震災やその後の落ち着かない生活に疲れたこころを、そっと優しく癒してくれるでしょう。
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by flybito | 2011-04-12 07:28 | お知らせ
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 来る4月16日(土)イトウ・シンポジウムが東京銀座の紙パルプ会館で開催されます。東京での初のイトウ・シンポジウムです。絶滅の危機にありつづける日本のイトウについての報告や研究の発表がなされます。入場無料です。
*イラストは猿払イトウ保全協議会のHPからの転載です。
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by flybito | 2011-04-05 01:07 | お知らせ
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 米国のダラス近郊に「Fly Tier's Primer」という、フライフィッシング商品の輸出をしている会社があって、日本では手に入れにくいマテリアルやAri’s Hart Reel、Godfrey Reel、Richardson Chest Fly Boxなどを取り扱っている。経営者の中村泰さんはPaul Schmooklerの”Rare and Unusual Fly Materials”のvol.1とvol.2の両巻にフライが掲載されているサーモンタイヤーで、マテリアル関連の情報に詳しい。前回の記事に対して以下のようなメールをいただいた。

         *          *           *

 サドルハックル、確かに、この2週間ほどの間に10件近く、ローカルの問い合わせがありました。それも全部が女性から。最初の2~3件はワケが分からなかったので真剣に対応しましたが、テレビのニュースで取り上げられたのを観て納得。どうやら普通のショップ、特に西海岸側ではグリズリーやクリーのサドルが品切れになってきているようです。ウチに最初に問い合わせがあったものは「グリズリーをグリーンに染めたのが欲しい」なんていうのがあり、どんなパターンを巻くのかって聞いたら、「I don't know what you are talking about, but do you have it or not?」って言うもんで、ウチは輸出しかしていないからって言ったら、いきなり切られました。で、サドルフェザーを髪の毛に留めるのにビーズヘッドが使われるので、これも店頭から姿を消しつつあるみたいです。何処の世界にも直ぐに買占めに走る人がいるけど、フライ・タイイング業界においての市場在庫は普通どれも1ダース以下。週に1個づつで月に4個も出ればベストセラーとか。先週あったタングステンのビーズの問い合わせはこの事だったんだ! といまさらながらに気づいた次第です。
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by flybito | 2011-04-03 09:28
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 世界的にハックルが不足しかねない事態が発生しているらしい。規模も勢いも未だ日本には及んでいないが、原因は女性のヘア・ファッションだ。まさかこんな時代がくるとはおもわなかったが、これは夢でもジョークでもなく、現在進行形なのである。米国のフライ・ショップには、いまのところ朗報として迎えられているが、今後どれほどの、あるいはどういった影響が出てくるのか余談を許さない。いまのところサドル・ハックルが中心に見える。なにしろフライフィッシング業界と女性のファッション業界の規模のちがいたるや、月と太陽以上の差があるのだから。
 写真は米国のWEB MAGAZINE "Hatches"からの転載。ヘア・ファッションの勢いが止まらずに、服にまで飛び火しかねない。
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by flybito | 2011-04-01 08:27